ほとんどのスイミングスクールでは、進級テストというものが行われています。
そこで合格すれば進級して新しい項目の練習ができますが、不合格ならまた同じ練習をして次回また同じ進級テストを受けることになります。
スイミングスクールに通う子どもも通わせる保護者も、合格することを望むでしょうし、指導するコーチも合格させるために努力をしています。
そんな進級テストですが、毎回全員合格するわけではなく、何らかの理由で不合格になる場合もあります。不合格になった場合は何がダメだったのか、ちゃんとした理由があり、スイミングスクールによっては理由を書いたメモをもらえたり、保護者に直接説明していくれるスイミングスクールもあるでしょう。
残念ながら不合格だった場合、また同じ練習をして、次回の進級テストで同じことをしないといけないのは、保護者としてはお金の無駄と考えることもあるでしょう。
もしくは不合格になったことで子どもがやる気を失い「プールに行きたくない」と言い出すかもしれません。これは保護者にとっては手がかかることになります。
さらに不合格の理由がほんの些細なことだった場合、「それだけで?それくらいなら大目に見てよ…」なんて思いませんか?
お気持ちはお察ししますが、少し冷静になって考えてみましょう。
「それだけで?」となりやすい不合格理由
進級テストで何をするかは、子どもの泳力や年齢によって大きく変わりますが、ここでは「それだけで?」となりやすい理由の例をあげてみます。
- たった1秒遅いだけ
- 肘が曲がっていただけ
- 壁へのタッチを忘れただけ
たった1秒遅いだけ
進級テストにタイムが入っている場合、そのタイムを切れなければ不合格です。
水泳はスポーツでありタイムを競う競技でもありますので、スポーツのルールを教えるためにたった1秒でもオマケはしません。
実際、高学年の子どもにいわれることもあります。「たった1秒なんだからいいじゃない」そのときにはこう返します。「たった1秒ならなんとかしなさい」
保護者としても、たった1秒と思われるかもしれませんが、水泳はタイムを競う競技であり、スイミングスクールとしては1秒の重みを教える必要があります。
たった1秒と思われるかもしれませんが、その差は大きいということをわかるためにも、不合格なのです。
0.1秒くらいならオマケはしていました…ナイショで
肘が曲がっていただけ
例えばケノビキック(頭の上で手を組んでバタ足)をする場合、少しくらい肘が曲がっていても進むんだから問題ないのでは?と思われるかもしれません。
ケノビキックが出来ているかどうかであれば問題ありませんが、ケノビキックの先にはクロールというのがあります。
クロールをするときに手が伸ばせないと正しく手を回すことが出来ませんので、さらに習得までに時間がかかります。
水泳指導の考え方はスイミングスクールによって多少違いますが、基本的には流れがあって、進級テストの前後に関連があることが多いのです。
ケノビキックはクロールのための基本練習であり、ケノビキックが正しく出来ていればクロールの習得も早くなるということです。
ですので、ケノビキックのときに肘が曲がっていると、クロールのことも考えて不合格にするわけです。
壁へのタッチを忘れただけ
水泳のルールの中に「両手でタッチしないといけない」というのがあります。
ここではルールの説明は避けますが、競技として壁に両手でタッチしなければ、失格になる種目があると考えてください。
年齢に関係なく泳力が高い子どもの進級テストになると、指定タイムより早く泳ぐことと、タッチやターンのルールを守れるかどうかの2つが進級テストの内容になります。
せっかくがんばって速く泳いでタイムを切ることが出来たけれど、最後のタッチが片手になってしまい不合格となれば、保護者とすれば「タッチくらい…」となるでしょう。
確かに両手タッチは競技のルールであり、別にできなかったからといって泳ぐことには問題はありません。
ですが正しいルールを覚えることは、タイムを縮めることと同じくらい大事なことで、知らなかったでは済まされません。
特に選手クラスが強いスイミングスクールでは、早い段階で進級テストにルールが含まれているようです。
最後に元コーチの意見を
人間心理として、あきらかに誰が見ても不合格なら諦めもつきます。25m泳がないといけないのに、途中で立ってしまうとか。
ですが、もうちょっととなると、なんとかならないのか?という心理が働くものです。
保護者だけでなく、子どもも同じようなことを思うかもしれませんが、そういうときは厳しいかもしれませんが、そのもうちょっとが、なぜ出来ない?と諭してあげれるようにしてください。
もしわからないことがあれば、コメントをいただければ、答えられる範囲でお答えしますので、よろしくお願い致します。