我が子が泳げるようになって進級テストで合格して、新しい種目をドンドン覚えて速く泳げるようになると
「もしかして、うちの子ども天才じゃない!?」
なんて思うこともあるでしょう。
子どもの両親のどちらかが元水泳の選手で、初めから我が子を水泳の選手にしたいと思っていれば、天才だろうが凡才だろうが水泳を続けるために、子どものサポートをしていくでしょう。
ですが、子どもの健康のためにスイミングスクールに通い始めたのに、あれよあれよという間に子どもが上達して、両親は良くわかっていないのに「お子さんは凄いですよ!」なんてコーチに煽てられれば
「もしかして、うちの子ども天才じゃない!?」
と思っても仕方がないでしょう。
コーチは金の卵を探している
選手を担当しているコーチは、速い選手を育てるために素質のある子どもを常に捜しています。速い選手は練習で作られますが、もともと遅い子どもを育てるよりも、速くなる可能性が高い子ども、つまり金の卵を手に入れるほうが、速い選手を育てることの近道なのです。
コーチはそれがわかっているので、素質のありそうな子どもに声をかけます。子どもは褒められてうれしいですが、保護者は冷静に考えるべきです。
水泳選手はお金がかかる
競技水泳を経験したことのない方には、水泳というスポーツは水着とゴーグルくらいあれば出来そうなので、他のスポーツに比べるとお金がかからないと思われるかもしれませんが、水泳も突き詰めようとするとキッチリお金がかかります。
- 練習用水着
- 試合用水着
- ゴーグル
- スイミングスクールのジャージ
- フィン(足ヒレ)
- パドル(手につける)
- プルブイ(足に挟む)
- チューブ(筋トレ)
- シュノーケル(水中練習)
いきなり全ては必要ありませんが、選手が速くなればなるほど必要になってきます。そして、これらの練習道具以上にお金がかかるのが、試合や合宿などの遠征費なのです。
学校がある間はスイミングスクールで練習を行いますが、学校の休みの間は1日中練習できる環境を整えるために、プールのある場所で合宿を行います。 また、中学高校生で全国大会に出場するようになれば、全国の会場に行くことになり、その遠征費が必要になります。
我が子が選手になるとなったら、親はそれなりにお金がかかることをわかっておく必要があります。
速い選手に必要なモノ
速い選手を何人も育てたコーチに聞くと、あの北島 康介よりもセンスのある選手は、過去にたくさんいたそうです。しかし、水泳を続けるセンスがなくて、その選手は日の目を見ることがなかったそうです。
物凄く簡単にいえば、速く泳げるようになるには能力の限界まで追い込んで、それが回復するときに能力が上がるのを狙います。それは身体面だけでなく、精神面でも追い込みますので、それに耐えられないと続けることが出来なくなります。
普通に泳いで練習するだけで速くなるのは、よっぽどのセンスを持っている選手であり、そんな選手はほとんどいません。普通の選手は厳しい練習に耐えて、やっと他の人に勝てるようになるのです。
速い選手になるために必要なのは、泳ぐためのセンスよりも、どんなに厳しい練習にも耐えて、水泳を楽しみ続けるセンスなのです。
親はサポートする覚悟を
大げさかもしれませんが、我が子が選手になれば親はサポートする覚悟が必要です。
遠征費や練習道具にかかるお金、体を強くするための食事、練習や合宿への送り迎えなどサポートすることはたくさんあります。
速くなるために練習が厳しかったり、同学年の友達が遊んでいるのを羨ましくなると、子どもが挫折しそうになるかもしれません。そんなときにも親はサポートをしなければなりません。
我が子が選手になりたいといったら、親にはお金とサポートする覚悟が必要になります。そのことを十分理解しておいて下さい。